◎ 干   害 ◎ 
  一般に寡雨多照年は豊作年とされているが、砂地、傾斜地では干害をうけやすくなり
ます。
 たばこの生長、成熟には水分は不可欠の要素であり、水分欠乏は活着不良、生育停滞
(節間伸長の阻害、葉の展開不良)、黄化しおれ、枯れ上がりなどの異常を招き、収量、
品質ともに低下します。
 対策としては、砂地ではスプリンクラーによる灌水、平地での畦間灌漑のほか深耕、
有機物増施、マルチ、敷き草、表面の浅い中耕(毛管切断)などの保水力増加、蒸散防止
等があります。
1、干害の状況
   
 干害初期の状況 スプリンクラーによる潅水状況 
 本県では雨量が少なく、日照の多い年のほうが順調に生育し、成熟経過も良く、収量も
増収となり良質葉が生産され、一般的には豊作であるが、砂地や天地返し畑でシラス系
ボッコ土壌などでは晴天が長く続くと、水分不足となり干害をうけることがある。

 特に、移植後の晴天続きで土壌水分が不足すると活着不良、生育遅滞、葉の展開不足と
なる。

 また、砂地畑では、成熟期に晴天が続くと水分不足によって、黄化萎調、枯上がり異常
成熟現象が現れる。

 そこで、移植したたばこが活着し、順調に生長、成熟するには適当な水分は不可欠の要
素である。

 砂地産地である南さつま市加世田網揚地区や金峰町高橋地区ではスプリンクラーによる
潅水によって干害防止対策が行われている。
2、干害対策
(1)干害の予防対策
   ・良質完熟堆肥の増施
   ・健苗の育成
   ・活着を安全に良くする為に穴深植えにする(14〜15cm)
   ・移植後の活着を良くし干害を防止するため包土の土入れを行なう。

(2)直接的な干害対策
   ・スプリンクラーを設備し潅水することが最も効果的である。
   ・株元へ潅水
     貯水槽、貯水タンク、水路など水源利用
   ・うね間潅水
     ポンプを利用し、うね間に水を流す。
     水田耕作では、水路利用によって、うね間に水を流入する。