《伝染経路》 |
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《 生 態 》 |
・本菌はナス科、マメ科など多くの作物や雑草に寄生して増殖する。
・病原菌の厚膜胞子は環境に対する抵抗力が強く、長期間土壌中に残存する。
・発生には厚膜胞子と分生胞子が主に関係する。
・土壌中の病原菌は、上層の地下5〜15cm位に最も多く分布し、降雨による移動範囲は
極めて小さい。
・地温20℃以上になると病原菌の寄生増殖よりもタバコの生育がまさり、被害は減少する。 |
《発生しやすい条件》 |
・前年の発生畑に連作し、しかも罹病根が多く畑に残ると発生しやすい。
・耕土が浅く、排水不良の重粘質畑の低畦栽培で被害が増加しやすい。
・裸地栽培で発生しやすく、トンネル栽培でも同様である。
・土寄せ量が多く、タバコの生育が一時的に停滞する場合に被害が大きい。 |
《 被害の様子 》 |
(苗床)
・幼根の一部または数か所の根が黒色となり、細根は腐敗して消失する。
・激しく発病した苗は生育が遅れ、日中萎凋するようになり、黄化し不揃いとなる。5枚以下
の苗では浸され方が少なく、6枚頃から症状が明瞭となる。
・感染の軽い苗の外観症状はほとんど現れず、見分けることが困難であるので、抜き取りによ
って根の症状を調べる必要がある。
(本畑)
・根の一部に黒色の病斑が見られる。激しい場合は根全体が黒変している。
・葉色は黄化し、生育不良で、日中しおれるようになる。
・本病は比較的低温(17度〜24度)で発病し、心止期頃から気温の上昇に伴って回復しは
じめるが、重症地では回復が遅く生育が劣る。 |
《 防除のポイント 》 |
・苗床肥土は蒸気消毒(90度、10分間)を行う。
・苗床の過湿、排水不良に注意する。
・苗床で発病した株および周辺の苗は移植しない。
・罹病残幹根は早期に抜除し、罹病組織を土壌中に残さない。
・夏〜冬期の反転深耕により、ほ地を乾燥させ菌密度を低下させる。
・排水の良化、有機物の増施により、土壌環境の良化に努める。
・マルチ栽培により地温を高めて、タバコの生育を促進させる。
・高畦マルチ栽培とし排水の促進、良質堆肥の増施を行いタバコの生育を早進する。
・溝土を多く株元に寄せない、大土寄せ後は畦面被覆をする。
・二段排水溝を設置し、ほ地の排水を良くする。
・寄主植物を作付けしない。
・土壌消毒の徹底。 |
《薬剤散布》 |
たばこ用農薬使用基準書参照
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