◎ 黒 根 病 ◎ 
↑本畑における被害の状況
(日中のしおれと生育遅れ)
↑罹病株の根の症状
《伝染経路》
《 生 態 》
  ・本菌はナス科、マメ科など多くの作物や雑草に寄生して増殖する。
  ・病原菌の厚膜胞子は環境に対する抵抗力が強く、長期間土壌中に残存する。
  ・発生には厚膜胞子と分生胞子が主に関係する。
  ・土壌中の病原菌は、上層の地下5〜15cm位に最も多く分布し、降雨による移動範囲は
   極めて小さい。
  ・地温20℃以上になると病原菌の寄生増殖よりもタバコの生育がまさり、被害は減少する。
《発生しやすい条件》
  ・前年の発生畑に連作し、しかも罹病根が多く畑に残ると発生しやすい。
  ・耕土が浅く、排水不良の重粘質畑の低畦栽培で被害が増加しやすい。
  ・裸地栽培で発生しやすく、トンネル栽培でも同様である。
  ・土寄せ量が多く、タバコの生育が一時的に停滞する場合に被害が大きい。
《 被害の様子 》
 (苗床)
  ・幼根の一部または数か所の根が黒色となり、細根は腐敗して消失する。
  ・激しく発病した苗は生育が遅れ、日中萎凋するようになり、黄化し不揃いとなる。5枚以下
   の苗では浸され方が少なく、6枚頃から症状が明瞭となる。
  ・感染の軽い苗の外観症状はほとんど現れず、見分けることが困難であるので、抜き取りによ
   って根の症状を調べる必要がある。

 (本畑)
  ・根の一部に黒色の病斑が見られる。激しい場合は根全体が黒変している。
  ・葉色は黄化し、生育不良で、日中しおれるようになる。
  ・本病は比較的低温(17度〜24度)で発病し、心止期頃から気温の上昇に伴って回復しは
   じめるが、重症地では回復が遅く生育が劣る。
《 防除のポイント 》
  ・苗床肥土は蒸気消毒(90度、10分間)を行う。
  ・苗床の過湿、排水不良に注意する。
  ・苗床で発病した株および周辺の苗は移植しない。
  ・罹病残幹根は早期に抜除し、罹病組織を土壌中に残さない。
  ・夏〜冬期の反転深耕により、ほ地を乾燥させ菌密度を低下させる。
  ・排水の良化、有機物の増施により、土壌環境の良化に努める。
  ・マルチ栽培により地温を高めて、タバコの生育を促進させる。
  ・高畦マルチ栽培とし排水の促進、良質堆肥の増施を行いタバコの生育を早進する。
  ・溝土を多く株元に寄せない、大土寄せ後は畦面被覆をする。
  ・二段排水溝を設置し、ほ地の排水を良くする。
  ・寄主植物を作付けしない。
  ・土壌消毒の徹底。
《薬剤散布》
たばこ用農薬使用基準書参照