◎ 生理的斑点病 ◎ 
タイプT型 タイプU型 タイプV型
生理的斑点病被害状況

生理的斑点病の発生要因
《 タイプ 》
  ・生理的斑点病は、病原菌に起因するものでなく生理障害で、症状、発生時期、発生着位の違い
   により現在タイプTからXに分類されています。
タイプT
  ・発生時期は4月下旬〜5月上旬頃まで、大土寄せ期から発蕾期にかけて発生します。
  ・斑点の特徴は初期に0.5〜5mm径の浸潤斑がみられ、その後黒青色褐色、白色に変化し、
   斑点の拡大は見られません。
  ・発生時の葉色は濃緑色で、黒ボク、粘質土壌、基盤整備地および酸性土壌などリン酸の欠乏
   しやすい土壌に多く発生が見られます。
  ・また、低温および降雨後の晴天日に発生しやすい。
タイプU、V
  ・発生時期は5月下旬〜6月中旬頃、開花、心止期を中心に発生する褐色斑点です。
  ・斑点は不整形で容易に融合拡大していきますが、黄化、枯れ上がりを伴う場合をタイプUとし、
   黄化、枯れ上がりを伴わない場合をタイプVに分類しています。タイプUはVに比較して斑点
   が大きくなります。
  ・斑点の特徴は、最初薄紫色または黒紫色の浸潤斑が現れてきます。
   多くの場合、浸潤斑は針の先でつついたほどの小さなものでそれが数時間のうちに黒褐色と
   なり、これらの症状の変化は、天候によって左右され晴天化で促進されます。
  ・また、タバコの栄養状態によって異なり、葉色の淡いものや斑点の発生が激しい場合、葉は
   黄化して枯れ上がり、タイプUの症状を示します。
  ・発生環境は、可給態チッソ含量の低い土壌、地下水位の高い土壌、水田、排水不良の過湿土壌
   または気象条件としては降雨後の晴天日に多発するようです。
タイプW、X
  ・発生時期は6月下旬〜7月中旬頃、中葉収穫時期以降の成熟期に、中本葉を中心にして発生し
   ます。
  ・タイプWの斑点の特徴は、成熟に伴い黄化が進んでいる時期に、集中的な降雨があった場合
   その黄化部分に褐色小斑点が現れ、これが拡大融合して、やや大きい褐色斑点になります。
  ・タイプXの初期斑点は、葉緑または支脈間の葉肉部が黒褐色になり、次第に大きな不整角型の
   壊死斑を形成します。
  ・タイプW、Xはいずれも連続的な降雨後に発生しますから、明らかに雨斑として分類されます。
《 基本的な防除 》
  ・産地では、タイプU、Vの発生が問題となっている。
   1.土壌の通気性をはかり、ほ地の排水を良くして(基盤整備地で地下水位が高いところ、排水
     状態が悪いヶ所)健全な根作りに努める。
   2.畦面被覆栽培では、肥料の分解が早く養分吸収が早くなり生育後期に肥切れし易いので、
     マルチスソ開け、マルチの中寄せを植付け後30〜35日頃にする。
   3.基盤整備地、赤ホヤ、ボラ土壌で肥切れし易い場合は、分施をする必要がある。
   4.心止期前後に降雨があり、その後気温が低下し日中快晴の日がきたら発生しやすい。
《 薬剤散布 》
    たばこ用農薬使用基準書を参照