T型グレー葉 |
発生着位
・ほぼ中、下位葉に限られます。
発生の特徴
・塩素含量が高く、軟質で吸湿性が高い。
・葉は全体に暗くくすみ、葉元の裏がかすかにピンク色を帯びる場合もあります。
中支骨は白い。
また、乾燥直後は一見正常であるが、その後に変色するものもあります。
・喫煙すると燃焼性が悪く、灰の色が黒い。塩素含量が高いほど香味が低下し、えぐみが
強い。
発生原因
・濃厚厩肥や野菜跡地の残存肥料に由来する塩素の過剰吸収によります。
・このほか、クロルピクリンによる土壌消毒も塩素が無機化して土壌に残留し葉たばこの
塩素含量を高める原因となります。
防除対策
・塩素含量の低いほ地を選定し、塩化カリや塩化アンモニアなどの肥料を投入しないこと
である。
・厩肥使用の場合は、荒積堆積を行い十分に腐熟させ、雨水によって塩素を除去したもの
を施用する。
・野菜跡地についてはあらかじめ土壌の塩素含量をチェックし、たばこ栽培の不適なほ地
への作付けを避ける。塩素を除去するには、飼料作物の作付けが有効です。
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U型グレー葉 |
発生着位
・下〜中位葉に多いが、時には上位葉にも発生することがあります。
発生の特徴
・基盤整備地、干拓地、水田転換畑、酸性土壌に発生しやすい。
・マンガン過剰吸収の場合は、葉面上に灰褐色〜灰黒色の微細な斑点が見られます。
この斑点は中支骨とこれに沿った葉肉上に連続して現れます。
・鉄過剰吸収の場合は、葉の全面に灰黒色の不鮮明な小斑点が現れます。
・鉄とマンガンの過剰吸収は同じ条件で起こるため、両者の症状が複合して発生する場合
が多い。
・香喫味は、せんい臭が強く、えぐみと生甘味があり、香味がぼける特徴がある。
発生原因
・土壌の酸性化、還元化などにより、土壌中の鉄、マンガンが可熔化し、たばこが過剰吸収
を起こすためです。
防除対策
・石灰の施用による土壌酸度の矯正をはかること、深耕などにおり通気をよくすること、排
水溝の整備によりほ地の排水を良くする事および未分解有機物の施用を避けることが重要
です。
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V型グレー葉 |
発生着位
・主として上位葉に多く発生します。
発生の特徴
・別名「死にグレー」や「セメントグレー」などと呼ばれています。
・基盤整備地、開墾地の地力が低いほ地や水田転換地に多く発生するが黄色種に限られます。
・葉の表面に灰色〜灰褐色の汚れを呈するが、特に葉の中央から葉先に発生しやすい。
・内容成分は窒素含有率が低く、でんぷん含有率が明らかに高い。
発生原因
・栄養不良や早期肥切れによる成熟期の葉の活力低下であり、葉中の窒素濃度の低下に起因
すると考えられます。
防除対策
・地力の増強、適正施肥(量および方法)、移植時期の適正、被覆法の見直し等により成熟
期の葉の生理活性を高めることである。
・また、収穫、乾燥法については、取り遅れを防止し、収穫した葉は早期に乾燥を開始し、
乾燥時には、初期俳湿を行い、乾燥過程で内容成分を十分に分解させることが大切です。
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